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財務諸表分析

定性分析の仕方

定性分析とは、画一的な数字や点数を基にした客観的な評価ができない会社の適応力や経営力の分析のことを言います。
銀行が会社を格付けする30%の評価が定性分析によってなされるといわれています。

定性評価は以下のような項目についてポイント化しています。

市場動向
経営者・経営状態
競合状態
株主
従業員のモラル等

定性評価

チェック項目 配点 チェック項目 配点
経営者能力 経営計画・財務管理
業界 銀行取引
業歴 ディスクローズ姿勢
製品開発力 損益見込み
販売力 ネガティブチェック -10
合計 30

定性評価は、市場動向、経営者・経営状態、営業基盤、競合状態などを評価するものです。
一般的に都市銀行の格付の内容はほぼ100%を定量評価で決定しますが、地方銀行だと定量評価70%・定性評価30%、信用金庫になると定量評価60%・定性評価40%程度といわれています。地方銀行・信用金庫と取引の多い中小企業にとっては、定性評価も格付を決める大きな要因になるのです。
定性分析とは、画一的な数字や点数と基にした客観的な評価ができない会社の適応力や経営力の分析のことを言います。具体的には以下に掲載する項目で評価をします。


①外部環境
会社が属している業界のマーケットにおいて、その市場規模や市場動向によって、成長市場か衰退市場なのか?
業種的に特別な要素はあるのかどうか?
競合状態はおだやかであるのか、それとも過当競争になっているのか?
景気動向への適応度合いはどうか?
会社のある地域の特性はどうか? 等々

②内部環境
現在の営業基盤は磐石なものか、主要な取引先はどこか?
業界・地域での会社の占めるシェアはどうか?
会社の業暦は何年か?
販売力や技術力は抜きんでているか?
差別化商品を有しているか?
組織や社内体制はきちんとしているか?モラルはどうか? 等々
③経営力
経営理念を明確化し、社内への周知が徹底しているか?
継続的な経営改善への取り組みがなされているか?
後継者がいるのかどうか(社長が50歳以上の場合)?
質の高い財務諸表としていくための努力をしているか?
銀行への情報開示がされているか?
人材教育の積極的に取り組んでいるか? 等々

上記の1~3が定性分析の項目です。そして中小企業特有の分析がもうひとつあります。
それは特性分析です。

銀行は中小企業等については、会社の財務状況のみならず、会社の持っている技術力、販売力や成長性、代表者等の役員に対する報酬の支払状況、代表者等の収入状況や資産内容、保証状況と保証能力等を総合的に勘案して、会社の経営実態を踏まえて判断しています。つまり、中小企業等は法人と個人(代表者)とは一体性であるとの特性を踏まえて大企業とは一部違った分析をしています。ですから、中小企業経営者はこの特性を銀行に分かるように説明できるかどうかによって格付けに大きな影響を与えます。

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